・部屋の壁を塗りたいけど、どんな材料を選んだらよいの?
・塗る前の準備や下地処理などの注意点は?
塗装は簡単そうだけど、いざやろうと思うとこまかいところが気になりますよね。
この記事では、築35年の家の壁を家族でDIY塗装した筆者が、
下地処理・養生・塗装の工程を、実際に使ってみた塗料や道具と併せて紹介します。
やってみたパターンは次の3つです。
・古い壁紙(クロス)をはがしてから塗装する
・古い壁紙(クロス)の上から塗装する
・古い砂壁の上に塗装する
これからDIYで塗装にチャレンジする方の参考になれば幸いです。
DIYで塗装をすると、こんなメリットがあると思います。
私が実感したものは、
・専門業者に依頼するより安く済む(人件費は除く)
・DIYスキルが身に付き、「自ら対応する力」に自信がつく
・空間に愛着がわく。家族や仲間と同じ経験をすることで距離が縮まった
・子どもと楽しみながらリアルなものづくりを体験させることができた
などがありました。
ただ、思ったよりも時間はかかります。
また、一度クロスの上から塗装してしまうと、数年後にクロスを貼り替えたいと思ったときにはがしにくかったり、下地を平らにしにくくなる、ということも出てくるかもしれません。
「多少イメージとちがってもやりなおせばいい。今後もDIYで工夫しながらなんとかやってみる」
という気持ちならポジティブにできると思いますが、
「完璧にきれいじゃないと落ち着かない。今後のリスクも避けたい」
なら、DIYではなく専門業者に依頼したほうが良いと思います。
とはいえ、失敗もありましたが「まずはやってみる。それから考える」という気持ちで取り組んだことを紹介します。
パターン1-古い壁紙(クロス)をはがしてから塗装する
35年使ったと思われる古いクロスを剥がして、下地を整えてから塗装するまでの工程です。
クロスをはがさずに上から塗装する場合は、後述の「パターン2」でとりあげます。
クロスをはがす
クロスの汚れやめくれが激しかったので、まず古いクロスをはがして、下地を処理してから新たに塗装します。
クロスは手で簡単にはがれますが、ぴったりくっついている場合はヘラやカッターで浮かせてからはがします。
うす紙をはがす
クロスの裏側には、薄い紙がついています。
この薄い紙がやぶれずに残っていればそのままでOKですが、破れたり段差が激しい場合には、薄紙もはがさなくてはなりません。
ヘラで地道にはがしていきます。
はがれにくいところは、水を入れた霧吹きスプレーで薄紙をよれよれにしてから、はがしました。
はがす面が大きいときは霧吹きでは時間がかかるので、たっぷり水を含ませた雑巾を壁にあてて薄紙を浮かすと早くできます。
まわりを養生する
塗らない面に塗料がついてしまうと大変です。
なので、めんどうでも養生はしっかりやります。
床面は、壁にそってマスカー(ロール状のビニールシートの端にテープがついているもの)を貼ります。色々な幅のものがありますが、550mm幅が扱いやすかったです。広い面は、養生用のポリエチレンシートを広げて、すき間をテープで止めます。
コンセントプレートははずして、マスキングテープか養生テープでふさいでおきます。
シーラーを塗る
気になる薄紙をはがし終えたら、塗装をする前に、あく止めのため、シーラーを塗っていきます。
既定の倍率で薄めたシーラーを、大き目のローラーを使って塗布していきます。
ちなみに、穴が開いていたりと、損傷の大きいところは、コーキングであらかじめ補修しています。
塗料を準備する
シーラーが乾いたら、水性塗料を塗っていきます。
塗料は使う前に缶ごと上下にシェイクしてよく攪拌します。
大きい缶で、開けたてのときはなかなかうまく混ざらないこともあるので、棒を使ってぐるぐると混ぜました。
ローラーバケットの中に塗料を入れたら、ローラーに染み込ませます。
このままだと固まりになりやすいので、バケット附属のネットで余分な塗料を落とします。
これで塗る準備ができました。
塗装する
ようやく塗装です。
その前のプロセス(特に薄紙を剥がす工程)のほうが本当に大変ですが、
あとは塗装できれいにするだけです。
大きい面は、ローラーでコロコロと転がして塗っていきいます。
休日のDIY中に、息子の友達も塗装体験にきました。
小さい子供の手で塗ると、細かく色々な方向に塗り重ねていくので、左官模様のように、かえっておもしろさが出るようです。
妹さんを見守っていた小学生のおねえさんは、さっ、さっと、手際よく塗っていきます。
大人がやっても同じでしたが、下地がフラットでないこともあり、なかなか均一にはなりません。
「まだら模様もいいかもね」とみんなで話しながら作業をしていました。
出窓も塗ります。
身長120cm位の子どもがぴったり納まる高さ。
案の定、髪の毛に白い塗料がべったり付きました。
巾木などの木部、開口部との取り合い部など、細かい部分は刷毛で塗ります。
終盤になって今更の頭に塗料が付かないための保護タオル巻き。
壁の塗料が乾いたら、マスカー、養生テープを剥がします。
壁に絵を描く

真っ白で殺風景な感じもしたので、トレーシングペーパーを型紙にして、ステンシルで海の生き物たちを壁に泳がせてみることにしました。
綿棒で目を描いています。
パターン2-古い壁紙(クロス)の上から塗装する
クロスの汚れやめくれがあまり気にならない場合は、クロスをはがさずに、古いクロスの上に塗料を塗ってしまいます。
わが家では、一部屋目をパターン1のやり方で進めたのですが、クロスを剥がした後の薄紙はがしがあまりに大変でくたびれてしまい、パターン2として、他の部屋では、クロスの上から塗ることが増えました。
コーキングではがれたところを止める
クロスとクロスの継ぎ目の部分は、経年劣化でめくれあがっている部分もあったので、コーキング材を塗布し、ローラーを使って圧着するようにめくれを止めます。
キズが大きければパテ、めくれが小さければボンドなど、劣化の程度によって使う材料は使い分けたほうがよさそうです。
養生する
どんなときでも、塗装前はとにかく養生です。
マステ、マスカー、養生テープの3種を手元に置いて、塗りたくないところを保護します。
5才児もがんばって養生作業をしていましたが、飽きるのも早かったです。
養生はきれいに仕上げるためには必須のアイテムなのですが、なかなか消耗が激しくあっという間になってしまいます。
すぐに買い足せないと作業が止まってしまうので、小分けではなく5巻入り、7巻入りなどまとめ買いして、余ったらお絵描きや工作に使います。
塗装する
本当はパターン1と同様に、塗装の前には、古いクロスの上にシーラーを塗布しておいたほうが塗料の伸びがよくなるはずなのですが、子供が「早く塗りたい!」モード全開だったのと、私も面倒になり、シーラーの工程をパスしてしまいました💦
一見さほど汚れていないように見えた古いクロスも、白の塗装を塗り重ねてみると、結構汚れていたことがわかります。
壁の高い位置を塗るときは、脚立にのって作業するか、ローラーを延長するアタッチメントのような棒をとりつけて使います。
玄関の片方の壁はバイカラーにすることにして、まず、サーモンピンクを塗ります。
ローラー、刷毛のどちらを使うかは、だんだんその時の気分次第になってきました。
サーモンピンクが乾いたら、色の切り替えラインにマスカーを貼り、レモンイエローを塗っていきます。
色の種類が増えるたびに塗料バケツやローラー、刷毛はちがうものを用意しますが、ローラーバケットが足りなくなり、100均で塗料バケツを買い足しました。
規格サイズがローラーと異なるので余分な塗料を落とすのは少しやりにくかったですが、十分使えました。
洗面所は面ごとに色を変えて、青と黄色のバイカラーにしてみました
下地は、ベニヤ、古いクロスを剥がしたもの、古いクロスの上、が混在していますが、塗ってしまうとあまり気になりません。
養生材を剥がす
塗料がかわいたら、養生材をていねいに剥がしていきます。
ぴしーっと、塗り分けがきれいにできたときはとても気持ちがよいものです。
しっかり養生しておいてよかった、と実感する瞬間です。
パターン3-古い砂壁の上に塗装する
壁の仕上げはクロス壁が一般的ですが、なかには古い家だと砂壁や土壁があるかもしれません。
わが家では、5部屋のうち3部屋が和室で砂壁でした。
見た目は落ち着いた感じなのですが、色が茶色だとどうしても暗い印象もあります。
ここでは、砂壁の上に塗装してみたパターンを紹介します。
※他の砂壁は塗装ではなく、和紙貼りで白くしました。
塗る前の砂壁
塗装する前の砂壁はこんな感じです。
クロス壁を塗装しなおすと、このままでもいいかと思っていた和室の砂壁が、とたんにくすんでみえてきました。
どうせならここも白くしたい…そして白い壁を背にした棚を作りたい。
むしろ、棚を作りたいがために、壁は白くあらねばならない気がしてきました。
シーラーなし、即塗装(NG例です)
シーラーかボンドでガチガチに固めないと、塗料がどんどん壁に吸い込まれることは容易に想定されます。
が、今回は「どれだけ塗料が吸い込まれるのか」こわいもの見たさと、下地処理の面倒さがあいまって、シーラーなしで砂壁に直接塗装してみることにしました。
実際にやってみると、確かにローラーに塗料をつける頻度が2~3倍増えましたが、ローラーで根気よく延ばせば意外と塗料を幅広く塗ることができました。
ただ、できるだけ均一にするため何度もローラーを動かすので、手はものすごく疲れます。
塗装後の砂壁
砂壁のやわらかさを残しながら、白く明るくなりました。
ほぼ勢いで塗り切りましたが、塗料は2~3倍余分に使用した気がします。
結論ーシーラーは必須です
この壁には、このように棚を作ったのですが、棚受け金物をインパクトドリルで壁等に取り付けるときの振動や、棚板を取り付けるときに板の角が壁に一部こすれてしまうなどにより、砂壁の一部が欠けてしまったところがありました。
砂壁をシーラー等で固めておけば、そのようなことは避けられたかなと思います。
とうぜん、塗料の使用量も少なくなるので、やはり砂壁(土壁の場合も同様)への塗装の際にはシーラー処理は必須だと思います。
やってみなくても想像できることですが、やってみて「やっぱりね」と納得した失敗談です。
砂壁(土壁)の塗装では、シーラーは必須です。
道具リスト
さいごに、壁の塗装あれこれに使用した道具を紹介します。
メーカー等は全くおなじではないものもありますが、こういうものを使った、という道具の備忘録です。
消耗品のマスキングテープやマスカーの幅ひとつとっても、種類がたくさんありすぎて、どれを選んだらわからない、ということもあるかもしれません。
個人の意見にはなりますが、木造住宅のDIY塗装でどんなものを用意して、どんな道具が使いやすいか、参考になれば幸いです。
ヘラ(スクレーパー)

壁紙をはがすときに使います。
それ以外にも、なにかを剥離させたいとき、クッションフロアを貼るときや、クロスを貼るときに壁際を圧着させるときなどにも使うので、汎用性の高いものがよいと思います。
安いものからしっかりしたものまで色々ためしてみましたが、厚みのあるステンレスで、「直」タイプ(斜ではない)ものが使いやすかったです。
ヘラを持って作業する時間が長いので、グリップは手になじむ形で、木製よりは樹脂ぽいもののほうが疲れにくいです。
シーラー(下塗り材)

塗る壁の種類にもよりますが、古い壁のアク止めならこのような古壁用のアク止め材があります。

古壁ではなく、下地を整えて、塗料の付着をよくするための下塗りの場合はこのようなタイプがあります。
私は、下塗りの選定を適当にしてしまって、どこもかしこも同じ壁紙下地用のシーラーで塗ってしまったのですが、壁との相性をよく考えて選ぶべきだったなぁと思います(いまのところアクが染み出したりはしていませんが)。
色々な種類があってどれが向いているかわからないときは、ホームセンターの塗装コーナーの担当者に相談すると丁寧に教えてくれることが多いです。
コーキング

壁紙が浮いているとこの止め付けや、壁に凹凸があるところを埋めたりするときに使いました。
チューブ式なので使い方も簡単です。
色はクリア、ホワイト、アイボリー、ブラウン、ジュラクなどさまざま対応しているようですが、白いクロスに使うことが多かったので、私はホワイトにしました。
使わない時は、口の部分を絶縁テープなどでぐるぐる巻きにして、乾燥を防いでおきましょう。
マスキングテープ(マステ)

マステも幅がいろいろありますが、細すぎるとまっすぐ貼るのが難しいので、18mmくらいのものが貼りやすいと思います。
壁際に使うときは、建具の木枠にマステをすることがあるので、木枠の厚みと同じくらいの幅だと扱いやすいです。
ホームセンターなどではよく黄色や緑のものをみかけますが、パープルだったら普段づかいにもでき
マスカー

ロール状のシートに布テープがついたマスキングの便利アイテムです。
幅は300mm、550mm、1100mm、1500mm、それ以上といろいろありますが、
550mmが使いやすいです。
あまり幅広になると、貼っているそばからシートがよれてしまうことがあるので、養生シートと併用するほうがうまく養生できました。
ただ、幅広く一気に養生したいときは、幅1100mmタイプを使いわけていました。
養生テープ
手で簡単に切れて、貼ってはがせて、テープ跡が残りにくいテープです。
塗装以外にも、たとえばダンボールや箱の中身を養生テープにマジックで書いて貼っておき、いらなくなったら剥がすなど、普段づかいでもあれば使います。
普段使うことも考えると、白がおすすめです。
養生シート・養生プラダン


広い面を養生するとき、立体的なものをぐるりと巻くように養生するときに活躍します。
ロール状で好き長さで切って使い、再利用はしません。
私は幅900mmを愛用していました。
幅広く養生したいときは、養生テープでつなぎあわせます。
足元をしっかりしたいときは、右のような養生プラダンを使用します。
塗料

クロスの上から塗るときは、「水性」で「かべ紙にも塗れる」塗料を使用します。
小さい缶で足りなくなってあとから買い足すと高くなるので、筆者の場合は、使いやすい「白」の容量大きめを用意しました(このくらいの大きさでも家のあちこちを塗装していたらあと少しというところでなくなってしまい、2缶目の大きさに悩みました)。

クロスの上に塗る以外(木部など)には「水性」の「多用途」タイプ。
かべ紙の上から塗れる塗料より価格帯は安いですが、筆者はかべ紙にも塗れる白がたくさんあったのでそれ以外の場所にも兼用してしまいました。

色や塗料の種類は多いのですが、我が家では青、赤、黄など、原色を用意して、絵の具を混ぜるような感覚で、白をベースにブレンドして色を作り、色に名前を付けて使ってました。
例)
白+青+緑=薄い青緑(マルコメブルー)
白+赤+黄=薄いサーモンピンク(マルコメピンク)
白+黄=薄いレモン(マルコメイエロー)
ペイントローラー


ローラーは、幅のバリエーションが75mm、100mm、150mm、180mm、230mm等あり、太さも通常のものとスリムタイプがあります。
大きいほど早く一気に塗ることができますが、小回りがきかなくなります。
どれを選ぶかは塗る面の大きさや塗り方の好みによりますが、幅180mmくらいのものが使い勝手が良かったです。
スリムは壁の端っこぎりぎり近くまで塗れますね。
シーラーを塗布するときは、太めタイプで一気に塗るほうが楽です。
気に入った大きさを見つけたら、スペアも用意しておくとよいです。
ローラーを水洗いして同じものを何度か使うことはできますが、くりかえし使ううちにだんだん塗料が固まってゴワゴワした感じになってくるので、そうしたら替えどきと思います。
また、複数の塗料を使いたい場合は、原則「一色につき一ローラー」です。
ペイントローラーつぎ柄
手の届きにくい壁の高いところを塗るときに、ローラーに取り付けて柄を長くして使います。
支点が遠くなるぶん、力の入れ加減がちょっと難しいですが、脚立の乗り降りする手間が省けたり、小さい子供は高いところに上らなくてよいので安心です。
ローラーバケット


ローラーバケットの内側に半透明のバケット内容器を入れて使います。
バケット内容器は色を替えるたびに違うものを使いますが、同じ色なら何度か再利用できます。

最初は道具を何も持っていなかったので、まずはセットになってるものを用意して、使いやすいサイズを買い足していきました。
刷毛


水性油性兼用の多用途タイプの70mmを愛用しました。
作業する人、使う色の数、塗料の種類分の刷毛が必要で、家全体で10本以上は使ったと思います。
100均のものでも特に毛が抜けるということもなく、十分かなと感じました。
細かい部分は幅50mm、30mmタイプ、絵筆を使うこともありましたが、基本は70mmです。
トレーシングペーパー

壁に模様をつけるときに型紙にトレーシングペーパーを使いました。
比較的厚手のものが破れにくいです。
モチーフとなる絵を描いて、カッターで切り抜き、マスキングテープで四隅を壁に止めます。
ステンシルブラシ

壁への模様つけで、型紙を置いたところに、塗料を軽くつけたステンシルブラシでやさしくぽんぽんと色をのせていきます。
おわりに
DIYでお部屋の壁を塗るときの準備、下地処理から塗るまでの工程を紹介し、
道具や材料をまとめました。
実際にやってみて、壁紙(クロス)をはがした後の処理がすごく大変だったので、よほどはがれや汚れが許容範囲内なら、はがさないでクロスの上から塗装するほうがよかったかなと思いました。
くりかえしになりますが、養生と下地処理はすごく大事で、仕上げを左右します。
専門業者に依頼するよりも時間はかかりますが、比較的安く済み、自分たちで作り上げた経験はなんともいえない愛着につながります。
わが家がDIYしていたのはコロナの感染症の影響で子供が通う園が休園になったりと、外に出かけにくい環境でもあったので、わーわー言いながら子供と一緒に調色したり絵を描いたりと、ものづくりに取り組めたことはいい思い出にもなりました。
DIYは親子アクティビティとしてもすごくいい時間だと思うので、変化がわかりやすくて取り組みやすい塗装から始めてみるのがおすすめです。

